『僕は、そして僕たちはどういきるか』梨木香歩 岩波現代文庫

この本を手に取ったのは、もちろん、梨木香歩さんの本だから。(うちには、梨木さんの『西の魔女が死んだ』が2冊ある。)そして、吉野源三郎さんの『君たちはどう生きるか』へのオマージュを感じたから。こんな本もあるよと、父に渡そうかと思ったのだ。
森の落葉の匂いと湿度がたちあがってくるような梨木さんの文章。14歳の僕の心の描写。この本にも、ノボちゃんと呼ばれる自由人風の若い叔父さんが出てくる。ずっとさりげなくて頼りなさげだけれど。
大きな屋敷に一人で住む同級生のユージンの心の痛み。作者は、個人的なことを描いているようで、大きな問題から目をそらさないで、ちゃんと目覚めて見張って、そしていつでも動けるようにと警告している。

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